
開学2年目を迎える北海道武蔵女子のリーダーシップ応用演習
北海道武蔵女子大学経営学部では、実践的な学びを通して自分らしいリーダーシップを育むことを目的とした「リーダーシップ応用演習」を開講しています。この授業は、1年次に学んだ「心理学」や「デザイン思考」を基礎に、「経営」や「マーケティング」分野の実践的な課題に挑戦する2年次前期の演習科目です。
この授業では、地域や企業と連携したプロジェクト型の学びを通して、「社会や企業の課題に向き合い自分たちで解決策を考える力(想像力・構想力)」「仲間と協力しながら、計画を形にしていく力(協働力・実践力)」を身につけることができます。
北海道武蔵女子大学 経営学部が目指す「権限によらないリーダーシップ」とは、クラス委員長や部長のように役職がなくても、皆を引っ張っていく力のことです。例えば、グループ活動で「これ、もっと良くするにはどうすればいいかな?」と自ら考えて行動したり、「手伝おうか?」と友達をサポートしたりすること。
つまり、立場に関係なく、周りを良い方向に動かそうとする気持ちや行動が、北海道武蔵女子大学が目指す「協働型リーダーシップ」です。北海道武蔵女子大学のリーダーシップ開発演習で学ぶ、あなたのちょっとした一言や行動が、チーム全体を大きく変える力になります。
実際の企業と連携し、リアルな経営課題に取り組む実践型演習
リーダーシップ応用演習の大きな特長は、6つの企業との連携プロジェクトです。学生たちは実際の企業や地方自治体から提示された課題に対して、自分たちで調査・分析を行い、チームでアイデアを考え、企画・提案を行います。
花王グループカスタマーマーケティング
花王の商品を絡ませ、SDGsの達成に貢献できるビジネスモデルを考案します。
北海道伊達市 (自治体)
伊達市のファンを増やすために、魅力あるふるさと納税返礼品を作ります。
良品計画(無印良品)
店舗内イベント「つながる市」の5周年記念イベントを企画・運営します。
ナカジマ薬局
「ナカジマ薬局オンライン調剤センター」の利用者を増やせるか、考え提案します。
FUJI
食品ロス削減に向けて、食品卸であるFUJIが取り組む道内の食支援活動を促進すべく、会社の認知拡大を図ります。
ダイヤ書房
ダイヤ書房が運営する書店の来客数を増やすにはどうすればよいか?
以上の6社のリアルな経営の現場、課題を解決することで、学びの手ごたえは一気に高まります。
参加学生の声
「実際に、無印良品でのつながる市への参加している姿を想像してみたときに、今までより実践的で、実際にお客様を相手とする授業であるため、とてもやりがいを感じそうだと思い、楽しみになりました。」
「1年次での環(めぐる)玉ねぎのプロジェクトでの経験を活かして取り組んでいきたいと思いました。私たちのグループは伊達市のふるさと納税の課題を選びましたが、まだまだ伊達市について知らないからこそ新たな視点から街の魅力を見つけてアピールしていきたいです。」
「私たちのグループは花王製品を活用したビジネススキームの開発に取り組むことになりました。関連の情報を調査したところ、花王が環境問題や価値観の多様化などの社会問題に配慮した取り組みを既に多くしているということをはじめて知ることが出来ました。私達も生活用品の身近な困り事を解決できるようなアイデアを考えていきたいと思いました。」
プロジェクトを通して、学生たちは「社会と関わること」のリアルさや、「自分の提案が誰かの役に立つ」という実感を得ています。
チームで成し遂げる「私たちのプロジェクト
本演習のもう一つの特徴は、学生一人ひとりがチームの中でリーダーシップを発揮することを目指しています。経営学部における産学官連携プロジェクトは、「権限によらないリーダーシップ」を実践する場です。学生たちは、自ら目標を設定し、課題を発見して率先して行動します。また、多様なチームメンバーと協力し、互いを支え合いながら、企業や自治体が抱える現実の、正解のない問題に挑みます。
この取り組みの大きな学びは、実践的な問題解決能力とコミュニケーション能力の向上にあります。教室での知識だけでなく、市場分析、企画立案、そして様々な立場の人々との調整を通じて、複雑な課題を多角的に捉え、解決へと導く力が養われます。
さらに、自らのアイデアを言語化し、企業担当者や外部の審査員に向けて効果的に発信する力も磨かれます。このような経験は、将来の就職活動や社会人生活で求められる主体性や協調性、そして困難に立ち向かう力を育み、自身の可能性を広げる貴な一歩となるでしょう。
社会とつながりながら学びたい、実践を通して成長したい。そんな思いを持つ高校生の皆さんに、北海道武蔵女子大学の産学官連携プロジェクトは、きっと大きな一歩となるはずです。
北海道武蔵女子大学
准教授 渡邊 泰宏