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【産学官連携:学生レポート】広報さっぽろプロジェクト(北区版:2026年2月号掲載)

つながることで広がる元気!みんなで始めるフレイル予防

北海道武蔵女子大学では、広報さっぽろ北区版(2026年2月号特集ページ)との連携プロジェクトに取り組みました。

本プロジェクトは、市民参加の取り組みへの取材によって、地域活動を調査し、大学生の目線で地域の可能性やその課題を明らかにすることを目的としています。

今回は、北区の介護予防センターと同センターが主催する介護予防教室(すこやか倶楽部)を取材しました。
そこには、運動だけでなく、人とのつながりを通じて心身を豊かに保つ「元気のヒント」が詰まっていました。

本記事では、地域福祉に取り組む担当者の方々や参加者の声をお届けします。

 

 

1.「すこやか倶楽部」とは? ——地域でつくる健康の拠点

「すこやか倶楽部」は、札幌市から委託された介護予防センターが実施している事業です。札幌市内には53箇所の予防センターがあり、そのうち北区には7つのセンターが設置されています。

各センターでは、理学療法士などの専門職による運動プログラムや健康講話、レクリエーションなど、地域の実情に合わせた多彩な年間メニューを企画・運営しています。

最大の目的は、単なる運動不足の解消だけではありません。
それは「外に一歩出るきっかけ」を作りです。
そして地域住民が将来の自分自身の生活や介護について考える機会を提供することにあります。

2.フレイル予防の重要性 

現在、すこやか倶楽部が特に力を入れているのが「フレイル」の予防です。

フレイルとは? 
フレイルとは、日本語で「虚弱」を意味します。健康な状態と、介護が必要な状態のちょうど「中間」の段階を指します。

介護予防センター職員の森さんは、その意義を次のように語ります。
「フレイルは、早く介入して対策を行うことで、元の健康な状態に戻ったり、要介護状態への移行を緩やかにしたりすることができます。だからこそ、早めの『気づき』と『行動』が大切なのです」

フレイル予防には、バランスの良い食事や適度な運動はもちろんですが、それ以上に「社会参加」が大きな意味を持ちます。人と会い、話し、笑うことが、心身の活力を維持に大きく役立ちます。

3.体験レポート:「心」もほぐれる温かなコミュニケーション

今回、私たち学生記者が最も楽しみにしていたのが、実際に「すこやか倶楽部」に参加させていただく体験取材です。
今回、私たちは講師の理学療法士さんの指導による体操教室に参加しました。

すこやか倶楽部のプログラムには幅広いテーマがあります。
体力測定や津軽弁体操などの人気プログラムもあり、レクリエーションや創作活動など、「健康づくり」と「人とのつながり」を大切に活動されています。

想像以上の「身体能力」に驚き

体操指導の1時間は、特別講師の理学療法士さんのリードで進められました。
最初は、日々の生活のなかでの健康維持のために何が必要かの講話があり、その後、椅子に座りながら、指先を動かしたり、ゆっくりと手足を伸ばしたりする準備運動からスタートしました。

しかし、後半になるにつれて、「片足立ち」や「前屈運動」など、徐々に本格的に。日頃から通っている参加者の皆さんは、スッと背筋を伸ばして片足で立ち、前屈では軽々とつま先に手を届かせています。
一方、私たち大学生はというと、日頃の運動不足のせいか、思わずふらついてしまう場面も。参加者の皆さんの柔軟性と筋力の高さに驚かされるばかりでした。


「心」もほぐれる温かなコミュニケーション

会場をあたたかな雰囲気にしていたのは、職員の方々の細やかな気配りです。
体操の合間など、職員の皆さんが参加者の方に、「〇〇さん、最近の調子はどうですか~」と、明るく声を掛けている場面が非常に印象的でした。
それに笑顔で応える参加者の皆さんも、まるで家族と話しているかのように和やかです。

ただ体を動かすだけでなく、こうした何気ない会話や笑い声が、会場全体を「また来たくなる温かい場所」にしているのだと肌で感じました。
身体機能の維持と同じくらい、「人との関わりを持つこと」が、心の健康を守る大きな鍵になっていることを、皆さんの弾けるような笑顔から学びました。

4. 参加者さん・サポーターさんの声:生活に「張り合い」が生まれた

参加者の平形さんは、一人暮らしの不安や孤独感をきっかけに、この教室に通い始めました。

「当初はフレイル予防なんて意識していませんでしたが、先生方の丁寧な指導を受けるうちに『一つでも覚えて帰ろう』と前向きな気持ちになれました」と平形さん。 今では、仲間との交流や外出の準備をすることが、生活の大きな張り合いになっているそうです。

「今では『一日かけてゆっくり散歩を楽しみたい』という具体的な目標もできました。月1回のこの時間は、私の心身を支える大切な習慣です」

そして、すこやか倶楽部の運営に欠かせないのが、ボランティアスタッフである「サポーター」の存在です。屯田地区では現在約10名のサポーターが活躍しています。

元介護職の経験を活かして活動する古屋さんは、活動への想いを語ってくれました。

「ここでは参加者とサポーターという垣根はありません。みんなで協力して椅子を並べ、受付を助け合い、全員で『楽しい場』を作っています。男性の参加者ももっと増えて、地域の皆さんの健康づくりのきっかけになれば嬉しいですね」

すこやか倶楽部では、サポーター育成やリーダー養成にも力を入れています。
これは、教室をきっかけに、手芸クラブやカラオケサークルといった住民主体の「自主活動」へと発展させていくためです。自分たちの手で「通いの場」を継続させていくことが、地域の福祉をより確かなものにします。

誰もが参加しやすい工夫と「見守り」の目

すこやか倶楽部では、参加のハードルを下げる工夫も行っています。 例えば、「介護体操」という言葉の代わりに「ヨガ」という親しみやすい名称を使ったり、男性向けに特化した「男塾」を企画したりと、一人でも多くの人が「行ってみたい」と思える環境づくりを進めています。

また、若い世代やご家族ができるサポートも重要です。
「最近、外に出ていないな」「ちょっと元気がなさそうかな」と、高齢者の様子を見守ってあげること。そして「一緒にお買い物に行こう」と誘い出すような、日常的な社会参加の支援が、フレイル予防につながります。

5.結びに ——「はじめの一歩」をここから

「すこやか倶楽部」は、65歳以上の方なら誰でも、そして地区外の方やより若い世代の方でも利用できる開かれた場所です。

「最近、外に出ていないな」と感じているご本人、あるいはそんなご家族が近くにいらっしゃる皆さま。ぜひ一度、お近くのすこやか倶楽部やセンターへ足を運んでみませんか?

今回の取材を通して、私たちの「介護予防」に対するイメージは大きく変わりました。 それは決して、一人で黙々とトレーニングに励むことではありません。「誰かと会うために身支度をし、外へ出て、一緒に笑いながら体を動かす」。心と体の健康は、一人で抱え込むものではなく、地域のみんなで育んでいくものだということがわかりました。

特に心に残ったのは、参加者さんが私たちに向けて言ってくださった言葉です。

「きっかけは何でもいいのよ。でもね、あなたたちのような若い世代が、私たち高齢者の活動に興味を持ってくれたことが、何よりも嬉しいわ」と優しく話してくださいました。

この言葉に、いろいろな世代の人たちが交流することの意義が凝縮されていると感じました。高齢化が進む社会において、「すこやか倶楽部」は単なる健康づくりの場を超え、人とのつながりをつくる大切な場所です。

私たち学生も、今回の経験を自分たちの家族や周りの大人たちに伝え、この素敵な「元気の輪」を広げていくお手伝いをしていきたいと思います。

今回のプロジェクトを通して、多くの貴重な学びの機会を得ることができました。

取材にご協力いただいた介護予防センター屯田の森様、齋藤様、介護予防教室参加者の平形様、古屋様、そして記事制作にご協力いただいた北区市民部総務企画課の皆様、誠にありがとうございました。

【お問い合わせ】
札幌市北区内には7箇所の介護予防センターがあります。
お住まいの地域を担当するセンターについては、北区役所発行のリストや下記リンクをご参照ください。

札幌市ウェブページ:地域包括支援センターと介護予防センター


広報さっぽろプロジェクト経営学部有志メンバー
(監修:准教授 渡邊 泰宏)

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