非日常の空間で「命の縁」と「地域の役割」を学ぶ
10月4日(土)、齋藤専門ゼミナールは札幌市西区八軒に位置する慈光寺を訪れました。
ここは、地域の暮らしに深く根差しながらも、私たちに「非日常」の貴重な学びを提供してくれる「隠れた交流拠点」です。
今回のフィールドワークでは、慈光寺住職・八力廣超氏のご案内のもと、境内や本堂、地下書庫を見学させていただいたほか、「開基百十年記念法要への参列」という特別な機会を経験しました。
お寺の役割と「人との縁」を深掘りする
この日は、お檀家の方々との交流、宗派を超えた体験、そしてチベット声楽家バイマーヤンジンさんの特別講演会と、多角的なプログラムを実施しました。

学生たちは、お焼香の作法やお経の読み方を教えていただいた後、肉の代わりに油揚げの入った特製精進カレーを昼食としていただきました。
これらの体験を通し、さまざまな気づきを得ることができました。
「非日常」の空間で得た、生と死、そして自己との対話
初めてお寺の本堂や地下書庫に入った学生にとって、見るもの全てが新鮮な体験でした。
特に、法要の厳かな雰囲気やお経の声に耳を傾ける時間は、普段の生活から離れた「自分と向き合う静かな時間」となりました。

「私は今回初めてお寺の中に入ったので見るもの全てが新鮮でした。普段はなかなか見られない所を見せてもらうことが出来て良かったです。」
「葬儀についての質問をされた際に、今まで考えたことのない問いだったため、下を向いて目を逸らしているように見えてしまうほど深く考え込んでしまいました。」
学生たちは、家族葬の在り方や日本人の生と死に対する価値観など、これからの社会人生活を前に真剣に考えなければならないテーマに直面。
お寺が、地域の文化や価値観を考える「思索の場」としての役割を担っていることを再認識しました。
宗派を超えた交流と、心に響く異文化の力
今回のフィールドワークでは、お檀家の方々との交流や、チベット出身のヤンジンさんの講演会を通じて、多文化理解と「縁」の大切さを深く学びました。
「言語や文化が違っても、気持ちというものは伝わるのだと思いました。思いやる気持ちを大切にしてこれからも生きていこうと思います。」
「ヤンジンさんの話で1番心に響いたのは誰かと自分を比べて羨ましがらないこと、毎日自分自身を振り返ることが大切、というところです。自分の劣っているところや他人と比べてないものに目を向けてしまいがちですが、いちばん肝心なのは自分がどう生きていくことが幸せなのかということだと考えました。」

ヤンジンさんの激動の半生と故郷への熱い想い、そして力強い歌声は学生たちの胸を打ち、「人と人のつながりや縁」という、地域社会の根幹にある大切な価値観について深く気づかされました。
「油揚げカレー」が教えてくれた食文化の深掘り
昼食にいただいた慈光寺特製の精進カレーライスは、学生たちにとって驚きと感動の体験でした。
「お肉の代わりに油揚げを使用したカレーを食べたのは初めてでしたが、お肉を使わなくてもおいしいことがわかりました。これからは、命を大切にするという意味でも、日頃から油揚げを取り入れていきたいと思います。」
「味的には普段食べているカレーと大差ないが、油あげでもお肉と同じほど満足感がありました。こんな満足感があることに驚きました。」
この「油揚げカレー」体験は、食文化の多様性と、命を大切にするという仏教の教えを具体的に学ぶ機会となりました。
「お寺」という場所が持つ、地域に根差した食文化を体験できる「食の交流拠点」としての魅力も発見することができました。

今回の慈光寺での貴重な体験は、「非日常の空間が持つ教育的な力」や「地域に根差した文化施設が果たす多面的な役割」を深く理解する機会となりました。
特に、就職を控えた学生たちにとって、自身の生き方や働くことについて見つめ直す貴重な機会となりました。

私たちはこの学びを活かし、お寺や地域の文化施設が持つ「隠れた教育・交流資源」としての魅力を、どのように発掘し、発信していくかを追求していきます。
齋藤ゼミナールでは、今後も地域と連携したフィールドワークを通じて、地元の人たちも楽しむことができる持続可能な地域の役割のあり方について探求していきます。
北海道武蔵女子短期大学
齋藤 貴之 教授
📱 公式SNSも更新中!
最新情報や学生の日常をチェックしよう📸
Instagram / X(旧Twitter) / Youtube
📩 お問い合わせ・取材依頼について
北海道武蔵女子大学・短期大学 入試広報課までご連絡ください。
📞 フリーコール:0120-634-007(入試広報課直通)
📧 メール:nyushi@hmu.ac.jp

