「思い込み」を疑い、さまざまな角度からものごとを見る旅
11月2日(日)、齋藤専門ゼミナールはフィールドワークの一環として、札幌市内の北海道博物館を訪れました。
豊かな自然に囲まれ、紅葉も美しいこの場所で、私たちは北海道の歴史と身近に存在する「異文化」に触れる貴重な学びを得ました。
知識を深掘りし、「思い込み」を打ち破れ
今回のフィールドワークでは、まず北海道博物館の甲地学芸員より、アイヌ関連の展示や歴史・文化について詳しいお話を伺い、さらにアイヌの民族楽器トンコリに触れ、音を鳴らすという特別な体験をさせていただきました。
その後、展示室を巡りながら、博物館資料から指定された12の問題の答えを探し出す課題に取り組みました。
この活動を通し、学生たちは以下のような大きな気づきと重要な視点を獲得しました。
「当たり前」を疑う:文字と文化への無意識の偏見
学生たちが最も強く衝撃を受け、考えさせられたのは、「文字を持たない文化」に対する自身の無意識の偏見でした。
「私は、アイヌ語が特殊で、文字を持たない言語なのかなと考えていたのですが、世界には約6,000~7,000もの文字を持たない言語があるのだと知り、衝撃的でした。」
「文字がないと不便に思わないか、と安易に考えていたのですが、もともと文字のある環境にいなければ、そのような考えに至らないとおっしゃっていて、とても考えさせられました。無意識に、自分の当たり前を押しつけてしまう考え方だったのかなと感じました。」
この気づきは、「文字がある方が優れている」という思い込みをなくし、多様な文化を広く受け入れるという、「偏見のない視点」の必要性を強く認識する機会となりました。
「リアル」に触れてこそ分かる文化の深み
今まで授業で知識として知っていたアイヌ文化も、博物館で実際に展示資料や収蔵資料に触れることで、その理解が一気に深まりました。
「アイヌ民族が暮らす家の構造に興味を持ちました。木などの自然のものから作られており、火をたき続けるなどさまざまな工夫をして、防寒対策をしており、とても考えられた家だと思いました。」
「伝統的な文様は儀式の時のみで、それ以外の普段の生活では無地の服を着ていたと聞いて、驚きました。日本人も普段から着物を着ていると思われているのと同じように、イメージだけで文化を見ていました。」
この体験から、「話を聞くだけでなく、実際に現地に足を運び、自分の目で見たり、実物に触れたりしてみないとわからないことが案外たくさんある」という、フィールドワークの重要性を改めて実感することができました。
「成長」が生む新たな発見と学びの深さ
博物館という空間が、一度訪れた人にも成長に応じて新たな学びを与える場であることを発見し、
「大学生になってから、大人になってから、改めて博物館を訪れてみることで、知識が増えたり、異なる見方ができるようになったり、自分自身が変わったことで、新たな発見があったり、学びが深くなったりする」
といった気づきにもつながりました。
また、サイコロを並べてアイヌ語の文を作るスポットなど、「どの年代でも身近に感じながら学べる」展示方法に触れ、アイヌ文化を「見るだけではない体験」を通して発信していくことの可能性を学びました。
今回の北海道博物館でのフィールドワークは、「身近な異文化」であるアイヌ文化を深く理解するとともに、「自らが暮らす地域の歴史や文化についての見識」を深める良い機会となりました。
私たちはこの学びを活かし、どのようにして、「知識の偏り」や「無意識の偏見」にとらわれることなく多角的な視点で札幌および北海道の隠れた魅力を掘り起こし、発信していくかを追求していきます。
齋藤ゼミナールでは、今後も地域と連携したフィールドワークを通じて、地元の人たちも楽しむことができる持続可能な地域社会のあり方について探求していきます。
北海道武蔵女子短期大学
齋藤 貴之 教授
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